高コスパの中華イヤホンKZ ZS10のレビュー

数年前より気になっていた、謎に気合が入った謎の中国メーカーのイヤホン、「KZ ZS10」を購入したのでレビュー。

KZ ZS10の特徴

KZ ZS10 重低音 高音質 イヤホン イヤモニ型 ハイブリッド イヤホン 2pin イヤホン 1ダイナミック&4バランスド・アーマチュア 5ドライバを搭載 0.75mm 2pin リケーブル カナル型 中華イヤホン Yinyoo (ブラック・マイク付き)

最近、謎の中国メーカーの進出が多い。その背景は色々あるだろう。昔は秋葉原のあきばおーとか上海問屋などに謎の部品や謎の製品があったが、今やamazonには謎の中国メーカーが溢れ、AliExpressに行けばなんでも手に入るようになっている。

大昔ファッションブランドではブランド品の生産ラインのとなりで模造品の生産ラインが動いているのでは?なんて話はあったし、最近は日本の会社が製造設計まで中国の製造工場に丸投げしているなんて話も聞く。自転車ではGIANTだって大手メーカーが製造委託していたりパソコンなどもみんなそう。

スマートフォン付属だったり100円ショップで売っているようなドライバーをプラスチックで包み込みました的なイヤホンはさておき、オーディオ向けのイヤホンを独自の企画で作るメーカーまで出てきた。このKZ ZS10は低音担当のダイナミック型(D型)ドライバー1基に中~高音域を担当するバランスド・アーマチュア型(BA型)ドライバー4基の合計5ドライバーを搭載したハイブリッドイヤホンだ。左右で10ドライバー搭載。

Ultimate Ears TRIPLE.FI 10
Ultimate Ears TRIPLE.FI 10

2005年頃から、iPod、iPod miniが一気に普及し始めた頃だUltimate EarsやSENNHEISER、Westoneなどが高級イヤホンと言われるジャンルが流行り始めた。D型中心だったがUltimate Ears TRIPLE.FI 10(UE10pro)がBA型3wayを採用していた。ハイブリッドがではじめたのは2010年頃、先駆けはAGKだった。その後FitearやUltimete EarsなどのBA型を複数基搭載したカスタムIEMが流行りだした。

そういった歴史の中で、D型+BA型4基のハイブリッドイヤホンということになる。値段はびっくりの4,500円程度である。AKG K3003は15万円、カスタムIEMは概ね8〜15万円。

KZ ZS10のアップグレード版KZ ZS10 Proのレビューは下記を参照してください。

KZ ZS10の外観・付属品インプレッション

シンプルな外箱。日本語の表記はない。英語と中国語表記になっている。

結構手間のかかった商品パッケージになっている。実売4,500円程度とは思えないし丁寧に作っていると思う。

本体以外の付属品。2pinのケーブルとイヤーチップ3種(S、M、L)と最低限。ケーブルはオリジナルで若干安っぽいものの柔らかくて取り扱いしやすそう、耳にかける部分は熱収縮チューブ的なもので形状保持はできないが装着時の外れにくさを向上させてくれている。端子もオリジナルで作りは良いと思う。きちんと金メッキのプラグでL字なのが嬉しい

同メーカーよりアップグレードのケーブルが出ている。イヤーチップは本当に最低限で全くコストを掛けていない感じ。バリなどが残っていて耳にはめるものという感じ。専用ポーチがないのは残念ではあるが、必要最低限の付属品と品質にはなっている。

ケーブルとイヤーチップのアップグレードの余地は残っている。必然的にケーブルアップデートなどをするとケーブルのみでイヤホン本体を超えてしまうだろうが。

カスタムIEMルックな筐体。スケルトンブラックといったところか。もう少し凹凸な表現があってもよかったが変な文字やカラーリングがないのでよい。

ダイナミックドライバーは結構大きめ。実質は3Wayだろうか、2つのBAを同じ音の通り道に配置している事がわかる。筐体の中身を見るときちんと作られているように思える。どなたか分解して素性を確認してもらいたいくらいだ。

KZ ZS10の視聴レビュー

過去のイヤホン遍歴は30本以上のイヤホン・ヘッドホンを購入。Ultimate Ears TRIPLE.FI 10、SONY MDR-EX800ST、SENNHEISER IE8、SENNHEISER IE800、64 audio 8ドライバーカスタムIEMと若干低音寄り、モニタータイプが好き。ヘッドホンはSENNHEISER HD750、AUDIO TECHINICA ATH-W1000Xあたりが好き。

金額感はSENNHEISER IE8 25,000円程度、SENNHEISER IE800 70,000円程度、64audio 190,000円程度。KZ ZS10 4,500円。今回は主にSENNHEISER ID800と聴き比べしました。視聴環境はMacbook 12-inch Early 2016にALAC音源。

ファーストインプレッション

低音がかなり出ているが、低音の主張が強い。特に中高音が奥に引っ込んでいる感じで伸びがない。ただ音域の広さはわかり下から上までそれなりに出ている感じがする。音場が広いが定位がいまいち。解像感はない。

公式には100〜200時間のエージングが必要と書いてあるが大体1時間程度のエージングで音が落ち着いてきた。バラバラに鳴っていたドライバーがバランスが良くなってきた。結構ダイナミック型ドライバーのカバー範囲が広いんじゃないかなという感じがした。

装着感について

筐体が大きく耳の穴、耳が小さめの人はもしかしたらフィッティングに苦労するかもしれない。幸いにも自分は気にはならなかった。奥に刺すカナル型イヤホンはイヤーチップの好感の工夫で装着感をコントロールできるがこのように筐体が大きい機種はそもそも筐体と耳の相性がある。筐体としては大きい方だ。

長時間再生では多少耳に違和感がでてくる(何故か左耳だけ)。自分の場合1時間程度であれば問題はない程度。イヤーチップは全種類試してもらいたい。筐体が邪魔して奥に刺さらない場合、低音が抜ける。きちんと装着した際に耳栓をしたような感覚にならなければならない。声を出してみるとわかりやすい。また音楽を流しながら強く押し込んだり引いたりして音質の変化を感じて欲しい。強く押して音質が変わり低音が補完されるならば正しく装着できていない

遮音性について

ノイズキャンセルではないが、遮音性はユニバーサルにしては高いと思う。イヤーチップと筐体によるものだろう。イヤーチップをスポンジ入りのものやウレタン系にすれば遮音性は高まると思う。イヤーチップで音質制御はしていないので手持ちがあれば色々試してみるのが良い。

音質について

音質評価は難しい。一定の音質条件をクリアしたらあとは好みの問題だろうとおもう。解像感があればいいというわけでもないし低音から高音までがフラットであればいいというわけでもない。音場が広ければよいというわけでもない。一定の音質条件をクリアしたら高ければいいというものでもないし、自分が好きになれるかと言うのが大きい。そのためにもよりよい機材への欲求を満たすためには色々試すしかないだろう。

3時間以上音楽をかけっぱなしにした結果、だいぶ最初に感じた違和感が解消された。荒っぽかった部分やバランスが悪かった部分が解消された。低音は非常によい、力強いしバスドラムがきちんとバスドラム。2ペダのバスドラムもいい感じになる。フルレンジでないので中高音をBA型に任せているからか全体が低音によることもない。

音場は広め、若干ボーカルが遠いように思える。もう少し女性ボーカルが艷やかに前に出てくれるとよい。高音域の表現と量があまり出ていない解像感は低いが低音から高音まできちんとでて楽しさを感じる

KZ ZS10の総評

エージングは必要、2-3時間で変わる。メーカー推奨は100時間以上とのことなのでそのくらいでまた評価してみたいとおもう。粗を探せば色々と出てくるが、値段を考えれば驚くほど性能・音質は良いだろう。一定品質は超えているので聴いてみて好きになればメインのイヤホンにもなれるだろう。

音質に関してはケーブル交換の余地はかなりありそうだが、4,500円のイヤホンに10,000円のケーブルかあという気持ちもあるが、イヤホンは特に好みの問題であり気に入ったらそのイヤホンをアップデートするアプローチは良いだろう。

なお今回は主にSENNHEISER IE800と比較したが、全くをもって音質的には足元にも及ばない、低音表現はかなりいい線いっているしボリュームも質もよい。全体的には10,000円台と比較すると遜色ない、いずれにしろ高スペックだし高コスパには違いない。

追記(約20時間)

かなり音のまとまりがよくなってきたのともやがかかった中高音がよくなってきた。やっぱり高音域はやや引っ込みがちなのと、解像感はそれなりではあるが楽しく音楽を聞かせてくれるイヤホンだと思う。EDM系パンク・ロック系はとても合う。カスタムIEMと比べるのは酷だが、もう少し装着感が良ければストリーミングメインで聴いているのであればこのイヤホンで充分なんじゃないかとも思う。

なおイヤホン評価の基準の一つにNUMBER GIRLのサッポロ OMOIDE IN MY HEAD状態が楽しく聞けるかというのがある。

直近の環境は、Macbook + iTunes(ALAC)→Fostex TM2 →KZ ZS10(標準イヤーチップ)

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