Androidなんかはというかガラケー時代はモバイルSuicaなんて普通だったけど、なぜかAppleのiPhoneがSuicaに対応してすごいみたいになったけれども、モバイルPASMOというサービスはなかった。2020年春にAndroidでスタートするようだ。
現時点でわかっているモバイルPASMOの状況まとめ
PASMOの公式サイトにモバイルPASMO対応の告知がある。
2020年春からAndroid™スマートフォンで、PASMOのサービスがご利用いただけるようになります。現在のサービスに加え、場所を選ばずクレジットカードでのチャージや定期券の購入ができるようになり、ますます便利になります。
特徴としては
- アプリ上でクレジットカードからのチャージ、定期券の購入ができる
- 再発行手続きができる
- PASMOと同様に電子マネーとして利用できる
- Android6.0以上のおサイフケータイ対応端末(Felicaポート付き)
- =iPhone(iOS)は現時点では未対応
概ね現行のPASMOでできていること、モバイルSuicaでできていることが可能。オートチャージの言及はない。
定期券に関しては、JR区間がある場合はモバイルSuicaでもSuica連絡定期券としてJR以外の私鉄や地下鉄の定期として持つことができる。(そもそも連絡定期券が可能なら私鉄や地下鉄の定期券もモバイルSuicaが対応してくれればすべて解決していたのに)
現時点(2020年1月31日時点)ではこれ以上の公式ページからの情報は無い。
モバイルPASMOのオートチャージについて
モバイルSuicaのオートチャージは、JR系のviewカードを紐付けることで可能となっている。iPhoneでもAndroidでもそれ以外のクレジットカードだとオートチャージに対応していない。Apple Pay経由であれば他社クレジットカードでも都度チャージは可能。
現行のPASMOに関してもオートチャージは、関連鉄道会社系のクレジットカードのみ対応している状況。
一体型PASMO
パスタウンPASMO、各種鉄道会社系のカード。
一体型ではないオートチャージ対応カード
概ね鉄道各社のクレジットカードを申請書で紐付けを行う。
現状のSuicaとPASMOの状況を鑑みるに、オートチャージは上記のクレジットカードが対象になるのではないかと思う。また例えば乗車ポイントのようなものがモバイルPASMOで貯まるかどうかで、貯まるのであれば現行でPASMOを利用している人にはデメリットはないだろう。
お得な方法・ポイントは?
交通系電子マネーで多くの人がお得なのは、view系カードのJREポイントである。電子マネー決済でベースは1.5%還元となっている。現時点の理想はモバイルSuicaでPASMO定期券を購入できるというのが、スマートフォンで電子マネー決済(最近はQRコード決済が還元率を高めるキャンペーンをやっているが将来的には非接触Felicaの電子マネーが勝つような気がしている)を利用した場合お得なのはやっぱりviewカード+JREポイントかなと。
技術的な制約は?どのような利用方法になる?
SuicaとPASMOは交通系ICカードの相互利用サービス(wikipedia)により同じプロトコル(通信方法)を採用している。なのでSuicaとPASMOを2枚重ねて改札を通ろうとすると弾かれる。
Androidのおサイフケータイアプリ上で制御を行うのではないだろうか。Felica搭載のAndroid端末だとGoogle Payも使えて一元管理ができますが、各種サービスにおいておサイフケータイで管理している個別のアプリ(例えばモバイルSuicaアプリとか、楽天Edyアプリとか)のほうが利用メリットが多い。もしかするとGoogle Payだと共存は難しいのかもしれない??
と考えると、おサイフケータイアプリ上で交通系ICカードの場合、モバイルSuicaを利用するかモバイルPASMOを利用するか選択する方法になるのではないか?
参考)「モバイルPASMO」実現が難しい本当の理由:モバイル決済最前線 (japanese.engadget.com)
まず最初にハードルとなるのが、PASMOやSuicaを含む交通系ICカードの仕様に起因する部分だ。一般に、日本国内で流通している交通系ICカードの多くは「日本鉄道サイバネティクス協議会(通称:サイバネ協会)」の仕様に準拠しており、ICOCAやTOICAなど違う種類のカードであっても、基本的に同じ仕様でカード内の情報が記述されている。
Suicaの例でいえば、ICカード内のFeliCaチップには「FeliCaポケット」に利用される共通領域のほか、実際にSuicaの処理を行うセキュア領域(専用領域)の2つの領域が存在している。このSuicaのセキュア領域へのアクセスには「0003」のシステムコードが割り当てられているが、他のサイバネ方式のICカードにおいても同じ「0003」のシステムコードが用いられる。つまり、SuicaとPASMOを単一のICカードとして利用する場合には問題ないが、同じFeliCaチップ内に両規格のアプリケーション(つまりSuicaとPASMO)を共存させるのは難しい。
iPhoneでのモバイルPASMOは?
iPhoneでもDカードのiDとメルペイのiDをApple Pay上で選択できると思うので(両方を設定したことがないので憶測です)iPhoneでもモバイルPASMOは比較的容易な気がするのですけれども。Apple Payが開始されたとき、FelicaのSuica対応はかなり日本独自開発だったようで、技術的な話なのか権利関係なのだろうか。
参考)なぜ「モバイルPASMO」はiPhoneに提供されないのか?(www.businessinsider.jp)
前例で言えば、2019年6月に楽天が「楽天ペイ」アプリからSuicaの発行、チャージ、決済に対応すると話しているが(実施時期は2020年春以降)、こちらもまた現状は「おサイフケータイ対応のAndroidのみ」となっている。
ハードウェア的にFeliCaが載っているとしても、Apple Payへのサービス提供は簡単ではないということだろう。
いずれにしろ続報を待ちたいです。個人的にはモバイルSuicaでPASMO定期券を購入できるようにしてもらいたいのだが…。